マニュアルの制作を依頼したいとき、どんな環境で制作を行っているか気になりませんか?自社の大事な製品情報や、場合によっては製品そのものを提供して制作を依頼することになりますから、設備や働く人々について知りたいと思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。過去の記事ではマニュアル制作に携わる人々についてご紹介しました。今回は、マニュサポ運営会社の一つである日興美術を例に、マニュアル制作に使用される設備についてご紹介します。
制作環境 ~どんな設備があるのか~
スタジオ
制作会社によっては製品の実物を利用して動作確認や撮影を行うためのスタジオを持っていることがあります。データで提供される製品情報だけでは、マニュアル制作の材料として不十分な場合があります。そんなときには、生産試作品や実機をお借りしてスタジオで確認を行います。
整備資格を持つスタッフがいる場合には、スタジオに準備されている工具を使用して製品を分解・確認することもあります。重要な機密である発売前の製品を預かることになるので、スタジオの出入りをカード認証で管理したり、パーテーションを使用したり等、セキュリティ対策を行っています。
編集ソフト
マニュアルデータの作成は、PCソフト上で行われるのが一般的です。Adobe社の「InDesign」「Photoshop」「Illustrator」等を使用し、求めている完成形によって使い分けています。これらの編集ソフトはデザイナーやDTPオペレーターが使用することが多く、他にもDTPソフトとして代表的な「FrameMaker」を使用する例もあります。お客様のご要望によって一般的によく使用される「Word」「Excel」で作成することもあり、制作会社によっては、DTP工程を自動化できるツールを活用している場合もあります。
翻訳ソフト
海外輸出品など多言語対応が必要な場合のマニュアル制作に欠かせないのが翻訳です。「Trados Studio」をはじめとする翻訳ソフトを使用する会社が多く、そのソフトを適切に扱えるかを測る認定試験に合格したスタッフがいることもあります。翻訳ソフトに翻訳メモリを取り込んでいくことで、過去に翻訳を行った同じ文言をそのまま流用でき、表現の統一や作業効率を向上させることができます。
印刷機
紙のマニュアルを作るときに、原稿制作と印刷を別々の会社に依頼しているケースは少なくありませんが、制作と印刷のどちらにも対応している会社もあります。ペーパーレスが進む世の中ですが、マニュアルの納品形態が印刷物であることがまだ多いためです。
この場合は、原稿制作から納品までを一社で完結することができ、担当者間のやり取りの負担軽減や印刷物としてのクオリティを考慮した制作ができるなどのメリットがあります。 デザインや写真の再現性が高く、大量生産に向いている「オフセット印刷機」や、短時間かつ小ロットで対応ができ、在庫を抱える心配が少ない「オンデマンド印刷機」など印刷機にもさまざまな特長があります。用途にあわせてこれらの設備を所有している制作会社を検討してみるのも良いでしょう。
DTP自動化ツール
DTP自動化ツールは、その名の通り従来では手作業で行っていたDTPを、データベースやプログラムを活用することで自動化できるツールです。「自動組版」とも言います。
原稿作成者が作った文章に処理内容や「見出し」「本文」等の情報を組み込み、専用ソフトにデータを流すだけで、マニュアルの体裁でページが完成します。かかる時間は数分のためお客様にとってはコストダウンに繋がり、マニュアル制作側としては、内容検討や校正により時間を使うことができるようになります。
まとめ
マニュアル制作には多くの設備が使用されており、制作会社によっても異なります。設備が豊富であれば、マニュアルの質向上に繋がるかも。マニュサポは3社でさまざまな設備を活用しながらお客様のニーズにあわせたご提案をしています。設備についても注目しながら、相談されてみてはいかがでしょうか。