企業の海外進出や外国人労働者の増加により、日本語だけでなく、英語や中国語など様々な言語に対応したマニュアルを求められる場面があります。例えば、グローバル企業は海外で販売する製品のマニュアルを現地の言語へ翻訳することが必要とされます。また日本国内においても、外国人の従業員向けに、業務マニュアルや手順書などを母国語に翻訳して提供することで、コミュニケーションや従業員教育の効率化に役立ちます。
多言語マニュアル制作では、翻訳された文章表現が統一されていなかったり、用語が正しく使われていなかったり等、翻訳の品質が課題になることがあります。Excel等で用語集を作成しても用語を探す作業が必要となり、管理が非常に難しく効率的ではありません。
そのためマニュアルの制作現場では、翻訳の品質向上や効率化を目的として翻訳支援ツールを使用しているケースがあります。今回はマニュサポの翻訳ソリューションでも使用している翻訳支援ツールについてご紹介します。
翻訳支援ツールとは
翻訳支援ツールはCAT(Computer Assisted Translation)ツールとも呼ばれ、テキストや用語などを記憶・管理して翻訳プロセスの支援をします。翻訳ソフトと間違えられることがありますが、ツールそのものを使って翻訳が出来るということではありません。
翻訳結果をデータベース化して管理し、翻訳時に類似テキストを自動で表示することで、翻訳者の作業負担を軽減することを目的としています。代表的なツールとしては、Trados Studio(RWS社)、Phrase TMS(Phrase社)等があります。
翻訳支援ツールで出来ること 例:Trados Studio
Trados Studio(通称:Trados)における翻訳支援では、翻訳メモリ(TM)でテキストを記憶するため、翻訳者が翻訳する際に、類似もしくは一致しているテキストを自動で表示します。類似テキストがなく表示されない場合は、新規で翻訳して登録することで翻訳結果を蓄積していくことが出来ます。
翻訳メモリは1文が1単位となっており、原文と翻訳文の2つの文章が1つのセットで登録されています。
翻訳支援ツールを使うメリット
翻訳資産の活用
過去の翻訳結果をデータベース化して保存する仕組みですので、テキストを再利用することができ、これまでの文章データベースを活かすことが出来ます。データの参照・更新・追加を自動的に行いながら翻訳が出来るため、高品質な翻訳が蓄積されていくことでより有効なものになっていきます。
用語統一と品質向上
用語集を作成し、文章表現の統一をサポートします。これにより、翻訳時に用いる参考資料や内容の違いで翻訳の度に文章表現が変わってしまう、所謂「揺れ」が発生するリスクを極力抑えます。表現や用語が統一されることで高いクオリティと信頼性のあるマニュアルを制作することが出来ます。
まとめ
様々な場面・国・人に必要とされるマニュアルは、今後も需要が高まっていくことが予想されます。マニュサポでは海外展開をしているメーカーのマニュアル制作実績が豊富です。今回ご紹介したツール等を活用しながら、効果的で高品質なマニュアル制作のご提案が可能です。多言語マニュアルの制作にご興味がありましたら、是非お気軽にお問い合わせください。