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見やすいマニュアルデザインの特徴とは?取り入れるべき項目10選

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業務の仕組み化にはわかりやすいマニュアルが欠かせません。しかし、誰もが一度読んで理解できる、わかりやすいマニュアルを作るのは簡単なことでなく、どうすればよいか悩んでいる人もいるでしょう。

わかりやすいマニュアルを作るには、まずマニュアルの視認性を向上させることが重要です。本記事では、わかりやすく見やすいマニュアルを作るためのポイントをお伝えします。

マニュアルデザインでは視認性が重要

業務の効率化には、業務の仕組み化が欠かせません。それまで特定の人だけが持っていたスキルや知識を共有することで、誰もが一定のクオリティで業務をこなせるようになります。その業務の仕組み化の成否を左右するのが、マニュアル作りです。

いくらマニュアルを作ったとしても、それがわかりにくいものであれば、業務の仕組み化は思うように進みません。では、わかりやすいマニュアルを作るには、どうすればよいのでしょうか?

わかりやすいマニュアルを作るには、視認性をアップさせることが重要です。視認性は「見たときのわかりやすさ」のことで、一度見ただけで理解できるマニュアルがあれば、誰もがスムーズに理解して業務を始められます。

今あるマニュアルを改訂する・新しくマニュアルを作成するときは、視認性が高いかどうかを常にチェックしながら作成しましょう。

見やすいマニュアルデザインの特徴

では、視認性が高い、見やすいマニュアルはどうすれば作れるのでしょうか?見やすいマニュアル作りは、マニュアルの内容をわかりやすくするだけでなく、文字や図の配置・流れにも気を配る必要があります。

ただ情報を並べただけのマニュアルは視認性が低く、内容が頭に入ってきません。見やすいマニュアルを作る際に意識したいポイントは、次のとおりです。

適度な余白がある

見やすいマニュアルを作るには、まず紙面に適度な余白を持たせましょう。余白は単なる空白ではありません。余白を効果的に活用することによって、文字や図に読み手の目線を集中させ、説明の区切りを表すことができます。

適度な余白は、読みやすい文章に必要不可欠です。余白を効果的に使うことで、すっきりとまとまった読みやすいマニュアルが作れます。

ただし、闇雲に余白を増やすことは避けましょう。意味のない余白が増えることで、かえってマニュアルが見づらくなってしまうので要注意です。

フォントが統一されている

フォントが統一されていることも、見やすいマニュアルの特徴です。マニュアルに限らず、書類で使用するフォントは1枚につき1種類にすると、全体に統一感が出ます。

ひとつのマニュアルに何種類ものフォントが使われていると、読み手の気が散りやすくなるので避けてください。マニュアルに使うフォントを選ぶときは、次のことを意識することが肝心です。

・クセがなく誰でも読みやすいフォントであるか
・文字化けなどが起こらないフォントであるか
・機種依存文字など、閲覧環境によって表示されないことはないか

読みやすい代表的なフォントには、明朝体やゴシック体があります。マニュアルは、誰が読むかわからないものです。誰が読んでも見やすい・わかりやすいマニュアルを作るには、フォントの種類にもこだわってみましょう。

文字の色や太さでメリハリがついている

フォントを統一することは大切ですが、同じ大きさ・同じ色・同じ太さの文字が並んでいては、大事な部分が印象に残りません。

マニュアルを作る場合は、適宜文字の大きさや色、太さを変えて、文面にメリハリをつけましょう。

文面にメリハリをつける際は、強調する部分を絞り込むことが肝心です。「ここも、あそこも、こっちも大事だ」と文字の大きさや色、太さを変えると、文面がうるさくなるだけでなく、本当に大事なところがわからなくなってしまいます。

伝えたいことを読み手の印象に残りやすくするためにも、どうしてもここだけは強調したいという単語にだけ、ピンポイントで装飾を加えましょう。

チェックリストや箇条書きが使われている

マニュアルは、伝えたいこと・共有したいことをただ文章で書けばよい、というものではありません。長い文章が連なっていると、伝えたいことがわかりにくくなってしまうことがあります。

マニュアルを作る際は、チェックリストや箇条書きなどを適宜盛り込んでください。たとえば、カレーの材料を説明する場合「にんじん・たまねぎ・じゃがいも・豚肉・カレールウ・水」などと書くよりも、次のように書いたほうが見やすくなります。

~カレーの材料~
・にんじん
・たまねぎ
・じゃがいも
・豚肉
・カレールウ
・水

作業の手順や進捗などを確認する場合も、文章で「ボタンを押したか・ネジを閉めたか・ランプが点灯しているかを確認してください」と書くより、次のようにチェックリストを使って示したほうが確認しやすいです。

~作業のチェックリスト~
□ボタンを押した
□ネジを閉めた
□ランプが点灯している

読む人がひと目見て何をすべきか理解できるよう、箇条書き・チェックリストを効果的に使用しましょう。

表や図形が使われている

表や図の活用も、見やすいマニュアルを作るうえで欠かせないテクニックです。いくら言葉を並べても伝わらなかった内容が、図にしたら一度で正確に伝わることは決して珍しくありません。

表や図形、写真、動画を要所要所に入れることで、より見やすくわかりやすいマニュアルが作れるでしょう。

テキストや図形の配置が揃えられている

ひとつのページに複数の表や図、写真、動画を並べるときは、できるだけ大きさや縦・横の位置を揃えるのも見やすさを向上させるコツです。同時に、テキストの開始位置・幅なども揃えましょう。

文字や図表の大きさ・縦と横の位置がバラバラだと、どれだけ有用な内容が書いてあっても、頭に入りにくいものです。

文書作成ソフト・プレゼンテーションソフトの左揃えや中央揃え、インデント、タブといった機能を使いながら、位置を揃えて表や図、写真、動画を積極的に入れ込んでください。

大項目から小項目または時系列順となっている

マニュアルは、どこに何が書いてあるかがわかるように作りましょう。項目を並べるときは、ランダムに並べるのではなく、大項目→中項目→小項目の順または時系列順に並べると、知りたい情報が探しやすいです。

市販製品の取り扱い説明書や作り方を見ると、大項目→中項目→小項目の流れや時系列順の並べ方がつかめます。たとえば、電化製品の説明書であれば、次のような流れで書かれていることが多いです。

~取扱説明書~
1.はじめに
1-1.充電の仕方
1-2.電源の入れ方
1-3.再生の仕方
~以下略~
10.こんな時は(トラブルシューティング)

時系列順に項目を並べたものの代表は、カップラーメンの作り方などです。

~カップラーメンの作り方~
1.フタを半分まで開け、中からスープ・かやくの袋を取り出す
2.かやくを入れ、内側の線までお湯を注ぐ
3.3分待って完成

並べ方を工夫するだけで、そのマニュアルを読む人が順を追って理解しやすくなるので、項目の並べ方にも気を配りましょう。

関連情報が一か所にまとまっている

関連情報を一か所にまとめることも、マニュアル作りのポイントです。できるだけ同じカテゴリーの情報は、まとめて記載しましょう。

複数の情報が同じカテゴリーに属していることを示すには、マーカーや囲み線を活用するのがおすすめです。

パッと見て同じグループの項目であるとわかるので、読む人が理解しやすくなるだけでなく、作業中にマニュアルのページを行ったり来たりする手間が省けます。

視線誘導が意識されている

マニュアルの紙面をデザインするときは、読む人の視線も意識しましょう。

まっさらな紙を見た時、どこに目線を送るかは人によって異なります。左上に目線を送る人もいれば、右下に送る人もいるでしょう。それでは、伝えたい順番で情報を伝えることは困難です。

しかし、紙の箇所に文字やマークがあれば、誰もがそこに注目します。注目してもらいたい場所に、読む人の視線を引き付けるのが視線誘導です。

マニュアルを作成するときは、文字の色や大きさを変える、図形を挿入するなどして、読み手の視線をどう動かしたいか意識しながら作成しましょう。

マニュアル作成ツールを使って作られている

マニュアルに個性は必要ありません。誰が読んでも読みやすく、わかりやすいことが大切です。

マニュアルを作成するときは、マニュアル作成ツールを積極的に活用しましょう。マニュアル作成ツールを使って作成すると、手書きで作成するよりもきれいで見やすく、わかりやすいマニュアルが作れます。

代表的なマニュアル作成ツールには、次のようなものがあります。
・Word
・Excel
・PowerPoint

レイアウト・印刷のしやすさを重視するならWord、表の作りやすさを重視するならExcel、スライド活用するならPowerPointと、使い分けるのがおすすめです。

最近は、マニュアル作成に特化したツールも登場しているので、それらを使って作成するのもよいでしょう。

マニュアル制作の実績とノウハウから生まれた「マニュサポ」をこちらで紹介しています。

見やすいマニュアルデザインにする際の注意点

ここからは、マニュアルをデザインする際の注意点をお伝えします。マニュアルの見やすさは、デザインが左右すると言っても過言ではありません。マニュアルをデザインする際は、次のことを意識しましょう。

情報を詰め込みすぎないこと

マニュアルを作成するときは、1ページに情報を詰め込み過ぎないようにしましょう。ページ数を少なくしたいから・1ページですべての手順を説明したいからと情報を詰め込むと、文字数が小さくなったり、レイアウトが崩れたりして、かえって見にくくなってしまいます。

文章が長くなりすぎないように注意することも大切です。一般的に、1文の文字は40~60文字が適切とされています。これより長いと言いたいことがわからなくなったり、主語と述語がちぐはぐになったりしやすいです。

いっぽう、10~20文字の短い文章が続くと、流れが悪くなり読みにくくなります。マニュアルを作成するときは、1文あたり40~60文字になるよう心がけ、1ページですべて説明しようとしないことが大切です。

写真や図形の画質が粗くならないこと

写真や図形を入れる場合は、画質が粗くなりすぎないように気を付けましょう。画質が粗くなってしまうと、細部が見づらく、わかりにくくなってしまいます。

画質が粗くなるようなときは、画像編集ソフトで解像度や大きさを調整してから挿入するなど、工夫してください。

装飾をつけすぎないこと

装飾の付けすぎは、本当に大事なところ・伝えたいことをわかりにくくしてしまいます。装飾は、強調したい単語にピンポイントで使うようにして、文章全体を装飾しないようにしましょう。メリハリをつけることで、装飾を付けた箇所が記憶に残りやすくなります。

多くの色を取り入れないこと

マニュアルは、シンプルなものが最も理想です。必要以上にカラフルにする必要はありません。

作り手のこだわりと伝えようとすると、どうしても使う色が増えてカラフルになってしまいます。しかし、使う色が増えれば増えるほど、色と色が喧嘩して目がチカチカしたり、かえって読みづらくなったりするので、使う色は4色程度に抑えるのが賢明です。

よりすっきりまとまった印象のマニュアルにしたい場合は、同系色の色でまとめましょう。同系色の色でまとめることで、目がチカチカしにくくなり、視認性も向上します。

こだわりすぎないこと

こだわりすぎないことも大事です。マニュアルに奇抜さや芸術性は必要ありません。とにかく無駄をそぎ落とし、シンプルであることに徹しましょう。

シンプルなデザインにすれば、それをフォーマット化して使い回すこともでき、マニュアル作成の効率化が図れます。

こだわりを詰め込みたくなる気持ちもわかりますが、マニュアルはあくまでも説明するためのものです。読む人の読みやすさを重視し、自分の個性やこだわりを盛り込むのは避けましょう。

マニュアルの表紙・目次デザインを考える際のポイント

最後に、マニュアルの表紙や目次デザインを考える際のポイントをお伝えします。マニュアルの表紙と目次は、もっとも人に見られることが多いページです。

マニュアルを読む人が手に取りやすく、目的の情報が探しやすいデザインするためにも、次のことを意識してください。

表紙デザインのポイント

マニュアルの表紙は、わかりやすさを重視して作成しましょう。そのマニュアルに何が書かれているかを端的に表しているのが理想です。

奇抜さやデザイン性、美しさなどは必要ありません。極端なことを言えば「〇〇のマニュアル」と大きく書かれているだけでも、マニュアルの表紙としては十分です。使用する画像や図があれば、さらにわかりやすいものになるでしょう。

目次デザインのポイント

目次は、そのマニュアルのどこに・何が書かれているかを示す大事なページです。読む人が素早く目的の情報に辿り着けるよう、できるだけこまかく作るようにしましょう。

たとえば次のような場合はだと、目的の情報がどこに書かれているかわかりにくく、探すのに手間がかかります。

~目次~
1.はじめに
2.初期登録の方法
3.受注業務
4.売上管理

書かれていることは大まかに理解できますが、それぞれの項目にどんな情報が書かれているのかわかりません。

そのため、目的の情報を探すには、その項目の最初から最後まで目を通す必要があります。これではスムーズに業務が進められません。

目次を作る際は、次のように細かく項目を立てましょう。

~目次~
1.初期登録の方法
1-1.IDとパスワードの取得
1-2.IDとパスワードの入力
1-3.必要事項の入力
1-4.初期登録ができないときは

2.受注業務
2-1.受注システムの立ち上げ
2-2.受注の登録
2-3.複数の受注を一度に登録する方法

3.売上管理
3-1.売上管理システムの立ち上げ
3-2.売上の登録

小項目まで目次に記載することで、必要な情報に素早くアクセスできるようになります。

まとめ

業務の仕組み化は、マニュアルの出来に左右されると言っても過言ではありません。マニュアルを作成するときは、誰が読んでもわかりやすいマニュアルを目指しましょう。

マニュアル作成をするにあたっては、次のことを意識することが重要です。

・適度に余白を持たせる、フォントを統一するなど、見やすさにこだわる
・重要な部分の色や文字の大きさを変えて、大事な部分をピンポイントで目立たせる
・情報はカテゴリーごとにまとめて記載する
・表や箇条書き、チェックリスト、図、写真、動画を積極的に挿入する
・マニュアル作成ツールなどを活用して、レイアウトに気を配る
・1ページに情報を詰め込み過ぎないようにする
・目次は細かく記載する
・デザイン性や奇抜さを求めずに、シンプルで見やすいマニュアル作りを心がける

以上のことを意識しながら作成すれば、初めてマニュアルを作る人でもわかりやすく、見やすいマニュアルが作れます。役に立つマニュアルを作成して、業務の仕組み化を成功させましょう。