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Di-Liteとは?資格の内容は?身につけるべきデジタルリテラシーの基礎知識

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Di-Liteは、DXを進めるうえでのスキル向上に欠かせない取り組みのひとつです。しかし、DXに取り組むにあたって何から始めてよいかとお悩みではありませんか?DXが本格化するなかで、デジタル技術を扱えるデジタルリテラシーのスキルが不足しているのが現状です。

DX時代の土台作りには、ひとりひとりのスキルや意識向上が求められています。デジタルツールを使いこなし、デジタルの知識や活用する能力を育てる取り組みが、Di-Liteです。

この記事では、Di-Liteとは何か、デジタルリテラシーが必要とされる背景、推奨される資格試験について解説します。DXとDi-Liteとの関係性や、何を始めたらよいのかお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

Di-Liteとは

Di-Liteは「ディーライト」と読みます。Di-Liteは、デジタルリテラシー協議会によって、すべてのビジネスパーソンが共通して持つべきデジタルリテラシー範囲と定義されています。

すべてのビジネスパーソンがデジタル技術を理解し、目的達成のために使いこなす技術を身につけましょう、ということです。では、デジタルリテラシー範囲とはどのようなことなのか、デジタルリテラシーについて解説します。

デジタルリテラシーとは

デジタルリテラシーの「デジタル」は、コンピューターで扱える情報のことです。また「リテラシー」は、物事に対して適切に理解し、自ら活用できる能力という意味です。

つまり、デジタルツールを使いこなし、デジタル化による進化や変化に対応する能力のことになります。

政府は企業に対し、デジタル技術を活用したDXを推進しています。組織全体でデジタル化を進めていくためには、経営層だけでなく、社員全体で身につけていくべき技術となるのです。

デジタルリテラシーが必要な背景

デジタルリテラシーができた背景としては、デジタルを使いこなす人材が不足していることにあります。

内閣府が策定した「AI戦略2019」において、AI時代に対応した人材育成や持続的に実現できる仕組みづくりが目標に掲げられました。デジタルを活用するための人材育成は、今や国全体として重要な課題になっています。

二酸化炭素の排出をゼロとする「脱炭素化」を実現するためには、DX(デジタルトランスフォーメーション)技術が欠かせないものとなっています。

そのDXを推進していくためには、デジタルを作る側の人材だけでなく、デジタルを使う側の人材も含めた育成が必要となってくるのです。両者の関係性は、車の両輪のように相互関係にあり、作る側の人材育成のみではいずれ頭打ちとなるでしょう。

変化の早い社会のなかにおいて、この全体像をデジタルに関わるすべての人が理解し、デジタルリテラシーを身につけておくべきだとしています。よりよい社会を創るためには、デジタルを作る人材だけでなく、デジタルを使う人材の育成も求められているのです。

デジタル端末の普及

デジタルリテラシーが必要な背景として、デジタル端末の普及があります。職場でのパソコンでの事務作業、タブレットを使った商談など、デジタルデバイスはなくてはならないツールとなりました。

しかし、操作方法の知識不足や、情報漏洩などセキュリティ意識が低ければ、ビジネスで活用できているとは言えません。デジタルデバイスの機能を最大限活用するためには、デジタルリテラシーは必要な知識となるのです。

働き方改革

働き方改革が進むなかで、多くの企業がテレワークの導入を始めています。テレワークを進めるうえでは、従業員がオフィスにいなくても同様に仕事ができる環境が求められています。

仕事ができる環境の構築やセキュリティへの意識、生産性を上げていくためには、デジタルリテラシーの知識や意識が必須となっているのです。

DX

人手不足や業務の効率化には、デジタル技術によるDXが必要となってきます。効率を上げて、企業の優位性を高めていくためには、デジタルデバイスやツールを使いこなすスキルが求められます。こうしたスキルを高め、広げていく取り組みがデジタルリテラシーとなります。

Di-Liteを構成する3つのスキル

ここでは、Di-Liteを構成する3つのスキルを解説します。

AI・ディープラーニング

AI・ディープラーニングと一緒に表記されますが、AIは人工知能、ディープラーニングは深層学習という意味になります。

AIは、コンピューターが人間のように学習し、知識をもとに予測することが求められています。身近なところでは、音声認識、インターネットの画像検索や画像処理など、さまざまなところで活用されています。

ディープラーニングとは、人間が自然に行う行動をAIに学習させる手法のひとつです。ほかの学習方法よりもデータを処理できる階層が多いため、より複雑な判断ができるようになります。

深く学習することが可能なため、大量の画像やテキスト、音声データを入力することで、人間が教えこまなくても情報処理のポイントを自分で見つけ出せます。自動的に学習していくので、ときには人間の認識精度を超えることもあるのです。

ディープラーニングは、医療の研究や自動運転システムに幅広く活用されています。医療の研究では、画像診断によるがん細胞の検知などに役立てられています。

自動運転システムでは、一時停止標識や信号機、歩行者を自動的に認識・検知ができるため、車の自動運転や、産業面において重機周辺で業務を行う作業者を守るなど、事故防止に役立てられています。

数理・データサイエンス

数理・データサイエンスとは、さまざまなデータを処理、分析することで、そこから新たな知恵を引き出すための手法です。

近年はデジタル技術の発達により、さまざまなデータが発生し、その量も膨大になっており、そのデータはビッグデータと呼ばれています。交通系ICの乗車履歴やネットでの購入履歴、ウェブの閲覧履歴、SNSへ投稿されたテキストなどさまざまです。

このようなデータを処理・分析することで新たな知恵を導き出すことを目的としたものが、データサイエンスです。

IT・ソフトウェア

IT・ソフトウェアのスキルは、私たちの生活基盤のひとつだけでなく、ビジネス全体まで浸透し、なくてはならないものとなっています。

近年のAIやIoT、ビッグデータ、ブロックチェーンの技術は経済社会に大きな変革をもたらしています。新たな技術によって生み出された製品やビジネスなどを効果的に活用するためには、これまで以上に幅広い知識を身につける必要が重要視されています。

Di-Liteに関する資格試験

「Di-Lite」は、現在以下の要素が重要だとしています。
・「ITソフトウェア領域」
・「数理・データサイエンス領域」
・「AI・ディープラーニング領域」

そして、それぞれに対し「ITパスポート試験」「G検定」「データサイエンティスト検定」の3つを学び、取得することを推奨しています。

それぞれ、どういった試験なのかを見ていきましょう。

ITパスポート試験とは

ITパスポートは、IT社会で働くうえで必要となる、基礎知識を習得していることを証明できる国家試験です。

企業においては、顧客管理や製品管理などの業務がIT化していくなかで、システムの仕組みを理解して活用していく能力、情報漏えいなど、企業のコンプライアンスまで幅広く求められてきます。

ITの基礎だけでなく、正しく活用する能力を身につけるために、ITパスポートでの知識の習得が必要とされているのです。

試験概要

ITパスポートの試験概要は以下のとおりです。※2023年4月時点の情報
・試験時間:120分
・出題形式:4問選択式
・出題数:100問
・全国の試験会場で通年開催(CBT方式)
・費用:7,500円(税込)

取得するメリット

取得するメリットは以下の3つです。
・ITの基礎知識だけでなく、企業に求められるビジネスの基礎も学べる
・企業コンプライアンスの強化に繋がる
・国家資格のため進学や就職に活かせる

それぞれ見ていきましょう

<ITの基礎知識だけでなく、企業に求められるビジネスの基礎も学べる>
パソコンの基礎知識だけでなく、機密情報の情報セキュリティ、知的財産権などの法律の知識、SWOT分析などの経営情報、財務諸表などの会計知識と幅広いITに関する基礎知識が習得できます。

<企業コンプライアンスの強化に繋がる>
ITパスポートの知識を活用した業務効率化や、顧客に対してのより具体的な商品説明、顧客ニーズの深堀りができるようになり、営業力の強化に使えます。

また、機密・顧客情報の情報漏洩などのコンプライアンスに関する知識が身につくため、IT力とコンプライアンス力の強化につなげることができます。

<国家資格のため就職や進学に活かせる>
近年は、多くの企業が社員研修や新入社員研修に活用しており、ITに関する基礎知識を備えた人材を求めています。

就職活動でのアピールに活用できるだけでなく、全国多数の大学でも入試の優遇措置を取り入れています。授業などの教育課程にも取り入れられているため、単位認定にも役立てられます。

G検定とは

G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、AIやディープラーニングの知識と活用する能力を習得できる検定試験です。

AIはどんなことができるのか、便利なデジタルツールの導入して活用したい、DX理解のための知識を習得したい、ITベンダーとの協業を進めていきたい、といったデジタル技術を進めていくうえでの知識が習得できます。

試験概要

G検定の試験概要は以下のとおりです。※2023年4月時点の情報
・試験時間:120分
・出題形式:多肢選択式
・出題数:200問程度
・試験方法:オンライン(自宅受験)
・開催場所:3月、5月、7月、9月、11月の年5回開催(※2023年の場合)
・費用:一般 13,200円(税込)/学生 5,500円(税込)
 ※再受験の場合、受験日より2年以内の場合は半額(一般:6,600円(税込)学生:2,750円(税込))

取得するメリット

取得するメリットは以下の3つです。
・体系的な基礎知識だけでなく、デジタル施策の企画や推進に活用できる
・昇格や転職にも活用できる
・JDLAのコミュニティに参加できる

それぞれ見ていきましょう

<体系的な基礎知識だけでなく、デジタル施策の企画や推進に活用できる>
AIにできること・できないことなどの基本的な知識の習得だけでなく、AIをどう活用すればよいのか、どこに取り入れればよいのかなどの活用方法が理解でき、デジタル施策の推進に役立てられます。また、合格者の名刺にはJDLAのロゴマークを記載できます。

<昇格や転職にも活用できる>
デジタル技術を使いこなす人材が不足しているなかで、AIやディープラーニングに対しての知識を持っていることで、DXの即戦力として有利に働きます。

社内昇格や市場価値の高い企業への新たなステップアップとしてアピールもできるようになるでしょう。

<JDLAのコミュニティに参加できる>
G検定に合格すると、JDLAのコミュニティに参加できます。定期的な勉強会やさまざまなイベントに参加できるようになり、情報交換だけでなく、新たな人脈につなげることもでき、ビジネスチャンス拡大にも活用できます。

データサイエンティスト検定とは

データサイエンティスト検定とは、データサイエンティストに必要な以下の基礎知識を習得する目的の検定試験です。

・情報処理、人工知能、統計学などを理解し、使う力
・データサイエンスの知識を身につけ、使えるように運用する力
・ビジネス課題を整理し解決する力

データサイエンスを目指す人達と、それを必要とする産業界を結びつけることを目指したものです。

試験概要

データサイエンティスト検定の試験概要は以下のとおりです。※2023年4月時点の情報
・試験時間:90分
・出題形式:多肢選択式
・出題数:90問程度
・全国の試験会場で年3回開催(CBT方式)
・費用:一般 10,000円(税込)/学生 5,000円(税込)

取得するメリット

取得するメリットは以下の3つです。
・AIや統計学など、情報科学の知識と運用できる能力を身につけられる
・AIやビッグデータを活用したビジネスモデルを構築できる
・就職や転職にも活用できる

それぞれ見ていきましょう

<AIや統計学など、情報科学の知識と運用できる能力を身につけられる>
AIやビッグデータを扱うために必要な基礎知識だけでなく、データを扱ううえでの、データ収集、分析力、判断など体系的な知識と運用力を身につけられます。

<AIやビッグデータを活用したビジネスモデルを構築できる>
AI、IoT、ビッグデータなどデジタル技術の進歩によって、データも複雑化、大容量化してきています。ビッグデータを扱ううえでの課題解決力、判断力が高められるだけでなく、新たなビジネスモデルへも展開できます。

<就職や転職にも活用できる>
データサイエンティストに求められる知識を有していることで、ビッグデータを扱う企業へのステップアップや、国家資格のため就職の際に有利に進められるでしょう。

まとめ

DXにおけるデジタル技術は、すべてのビジネスパーソンが理解し、目的達成のために使いこなす技術を身につける必要があります。そんなDXに関わるすべての人のスキル向上を目指す取り組みがDi-Liteです。

変化のスピードが早いデジタル社会に対応していくためにも、Di-Liteの取り組みに参加し、デジタルリテラシー向上を目指し、デジタル技術を扱える人材を増やすことで、企業の優位性を高めていけるでしょう。

AIやIoTなどを活用した取り組みは、デジタル総合印刷株式会社をご活用ください。デジタル技術を活用し、複雑な作業の効率化を目指していきましょう。