デジタル技術によって生活やビジネスをより良いものへ変えていくことをDX(デジタルトランスフォーメーション)といいます。アナログなイメージが強いマニュアル制作においてもDX導入の余地が沢山あります。特に、人の手で行う作業といえば「DTP(ディーティーピー)」です。この記事では、「自動組版ツール」でのDTP自動化についてご紹介します。
DTPとコスト
DTPとはデスクトップパブリッシング(DeskTop Publishing)の略で、日本語では「机上出版」や「卓上出版」といいます。新聞・雑誌・チラシのような印刷物の編集やデザインといったパソコン上で行う一連の作業のことを意味します。
マニュアルの制作においてもDTPは必要不可欠です。しかし基本的にはオペレーターによる手作業のため、工数が多ければ多いほど時間がかかりコストも増加してしまいます。DTPの自動化によって工数をいかに削減できるかが、制作コストダウンのポイントの1つです。
自動組版ツールとは?
自動組版ツールはデータベースやプログラムを活用することで、手作業のDTPを自動化できるツールです。マニュアルの制作業務において次のような悩みがある場合にもお勧めです。
- ・DTPにかかるコストを削減したい。
- ・海外でDTPをしており、やりとりに時間がかかっている。
- ・マニュアルをCMS※で作っているので、せっかくならもっとデータを活用したい。
- ・PDFとHTMLの制作が2工程のため集約したい。
- ・制作会社ごとにレイアウトの差がある。
※CMS(Contents Management System):コンテンツを管理するシステム。
導入事例
あるメーカーでのマニュアル制作事例では、従来はCMSで制作したデータをXML※データに書き出し、DTPオペレーターがPDFとHTMLへ変換していましたが、自動組版ツールを活用することで、オペレーターが手を加えずにXMLからPDFとHTMLを生成できるようになりました。結果、DTP作業の負担が減り制作のリードタイムを確保することに成功しました。
※XML(Extensible Markup Language):拡張可能なマーク付け言語。ユーザー独自のタグを指定することができる。
メリット① コストダウン・業務効率アップ
データを専用ソフトへ流し込むだけになり工数が減れば、DTPで数時間かかっていた作業時間は数分へと格段に減り、コストダウンとその他業務の時間確保につながります。また、オペレーターの手を必要としなくなるため担当者不在時の対応や、必要な設備・ソフトの集約も期待できます。
メリット② レイアウト確認が不要になる
DTPでは文字や画像など各コンテンツの大きさや位置といった決められたルールに従ってデータを作成しなければいけません。人の手によるレイアウト調整が不要になれば、人的なミスを防ぎ、レイアウトの確認も不要になります。クライアントと制作担当者の双方で校正の手間が省け、内容の確認に注力することができます。
まとめ
制作業務の標準化で内容そのものの検討に時間を使うことができるようになり、クオリティの高いマニュアルを実現できます。また制作現場においてもDX推進が求められていますが、自動組版ツールがその足がかりになるかもしれません。
既存のマニュアルをお借りして自動化可能か検討・見積りすることも可能ですので、ご興味のある方はぜひマニュサポへご相談ください。