マニュアル制作に欠かせない職種として、「テクニカルライター」があります。マニュアルに掲載する内容から文章表現方法まで考え、マニュアルを書く人です。取扱説明書やマニュアルの価値を高める要素である「正確さ」「分かりやすさ」は写真やイラストだけでなく文章にも表れます。本記事では文章作成に深い関わりを持つ「テクニカルライター」について紹介します。
目次
「テクニカルライター」に求められるもの
テクニカルライターは家電、情報機器、輸送機器等の使用方法や、社員教育や業務内容を伝達するために使用されるマニュアル(取扱説明書)を制作する職種の一つです。「テクニカルライティング」と呼ばれる、技術的な情報を正確に効率よく伝える文章作成技能を持つ「マニュアル制作のプロ」です。
マニュアルの文章作成には製品や業界に関する豊富な知識を必要とします。専門性の高い文章の執筆を手掛けるテクニカルライターは、製品・業界等の知識を十分に持ち、情報を正確に伝える文章はもちろん、ユーザーの視点を理解し分かりやすい文章を作成する能力も求められます。
テクニカルライターの仕事
製品マニュアル制作を例に、テクニカルライターの仕事について深堀りしてみましょう。
活躍分野
洗濯機、冷蔵庫等の家電製品、バイク、船外機等の輸送機器等、取扱説明書を付属している多くの製品にテクニカルライターが必要とされています。紙の説明書を電子文書化したり、動画化したりとマニュアルの媒体も変化していますが、テクニカルライターの情報収集、整理、分かりやすく伝える能力は今後とも必要になるでしょう。
マニュサポをはじめとしたマニュアル制作を得意とする企業があるほか、メーカーでは社内にマニュアル制作部門を持つ場合もあります。
情報収集
まずは製品についての情報を集めます。製品の構造・使用方法・取り扱いの注意点はもちろん、どこの国のどんな人に向けての製品かという情報も重要になってきます。これはマニュアルを読む人(ユーザー)によって、記載内容や書き方が変わるためです。
情報収集の方法としては、製品の図面・企画書等の確認や、製品の製作者への取材等があります。また、場合によっては製品そのものを借りて使用・分解することもあります。
執筆
情報収集の次はマニュアルの方向性、記載内容を決めて執筆を始めます。
方向性を決める際には製品の説明にイラストや図を用いるか、または写真を使用するか等の選択も重要です。分かりやすいマニュアル作りのために、これらの素材に即した内容で執筆します。
修正・確認
製作者とクライアントに原稿を提出し、間違いや変更点を確認して修正します。修正点がなくなるまで、確認と修正のやり取りを繰り返して原稿が完成します。
特に、マニュアルにおいてはここで見過ごされてしまった不備が重大な事故に繋がる可能性があるため、ユーザーの安全を守るためにも大切な工程です。
専門的な資格を保有していることも
バイクのマニュアルを扱う制作会社に整備士資格を取得したスタッフが在籍する等、特定の業界を専門としているライターの中には、執筆内容に応じた資格を持つ人材も存在します。
テクニカルライターそのものに関する資格の例としては「テクニカルコミュニケーション技術検定(TC技術検定)」があり、文章表現・制作実務・ディレクションスキル等のレベル認定を受けることができます。
まとめ
テクニカルライターとは
家電・情報機器等は、機能が複雑で使い方が分からなかったり、適切に扱わなければ製品の破損やけがに繋がったりする場合があります。製品についての情報を収集し、どんな内容を記載すべきかをユーザー目線で考え、分かりやすく伝わるように記載する。それがテクニカルライターの仕事です。今回紹介したテクニカルライターの仕事はほんの一部分ですが、スムーズな発注や原稿作成を進めるために、制作に携わる人々の役割や作業内容について知ることもお勧めです。
マニュサポでは
マニュサポはバイク・電動自転車・家電等のユーザーマニュアル、サービスマニュアルのほか、社内教育や施工のマニュアル制作実績があります。
大手企業との長いお付き合いを経て得た信頼と実績を併せ持つ「マニュアル制作のプロ」が制作をサポートいたします。ご興味のある方は是非マニュサポへお問い合わせください。